フィギュアスケートの全日本シニア合宿が21日に大阪府内で公開され、昨年末の全日本選手権で5位に入った横井ゆは菜(20=中京大)が今季の新プログラムについて説明した。ショートプログラム(SP)が「なんでもないや(英語バージョン)」。フリーは「トムとジェリー」になる。

以下は一問一答。

-現状について

最近あまりジャンプの調子が良くないので、この合宿でたくさん上手な選手と練習できるので、たくさん吸収したいです。自分のジャンプを取り戻したいと思います。

-新型コロナウイルスの影響は

私は練習時間は少なくなったんですけれど(氷に)乗れないのは週に2日ぐらいで、本当に恵まれていました。少し基本が崩れているのかなと感じていて、そこが今の不調につながっていると思います。そこを何とかして戻したいです。

-崩れたのは

真っすぐ伸びる、基本的な動作。回転をかける方を意識して、ジャンプが崩れているので、今はそこを直しているところです。

-ステイホームで、新たに取り組んだ練習は

その期間はスケート連盟が出してくれた、リモートトレーニングに参加していました。

-スケートに対する考えの変化は

良い方向というより、私はちょっと悪い方向に変化してしまったと感じています。フィギュアスケートは元々、この時期は試合がないので、実は何ら変わりはないはずなのに、それよりももっと遠くに試合を感じてしまっている。そう思っているうちに予定通りに試合が開催されるなら、秋には始まってしまうので。その心の準備ができているかと言えば、私はまだできていない。去年の自分と比べると、そこに到達していないので、そこが悪い影響かなと思います。-今季のプログラム

SPは「なんでもないや」。英語バージョンになっています。女性ボーカルです。振り付けは鈴木明子さんです。フリーは「トムとジェリー」のオーケストラ。振り付けは佐藤操先生です。-新しく取り組みたいジャンプは

今は難しい技を練習できるほどのレベルにいっていないです。まずは今までできていたことを忘れてしまっているので、取り戻したいと思っています。

-北京五輪プレシーズン

年齢的にも私が目指せる五輪は次の北京になってきてしまうと思う。1つはそこへ、できることに全力で取り組みたいです。昨季は自分の中で成長できたと思えたシーズンだったので、昨季と同じ、もしくは、それ以上に成長しないと北京五輪には行けないと思うので。このシーズンで、たくさん成長できるようにしたいと思います。

-SP、フリーともにプログラム変更する思いは

SPは最初、タンゴとかカルメンのようにしようかと思ったんですけれど、先生と相談していて昨季の「黒い十人の女」と曲調、雰囲気が似ているなと。じゃあきれいな、しっとりとした曲調の方が、昨季とのギャップにつながるので、今回の「なんでもないや」に決まりました。SPは「変えなくてもいいかな」と思ったんですけど、いい演技でシーズンを締めくくれたのと、昨季「(フリーの)オペラ座の怪人」を2年連続で使ってみて、滑りやすいが故に、だんだん自分の動きが曲より早くなってしまったり、曲に合わなくなってしまうなと感じていたので。SPは(使用したのが)1年でしたけれど、変えることにしました。フリーは変えることは決定していたんですけれど「コミカルな曲をやってみたら?」と母に言われて、最初はチャプリンの曲にしようと思いました。でも、結構皆さんが使っていますし、去年曲を選ぶときに一瞬出ていた「トムとジェリー」がいいんじゃないかという話に、先生と相談していてなって。すごく楽曲も面白い曲調で「きっと皆さんに楽しんでもらえるだろうな」と思っていたので、この曲にしました。

-現在の練習状況は

コロナで練習量は減りましたが、今はコロナになる前と同じぐらいできています。

-今季はGPシリーズなど不透明だが、モチベーションの維持は

去年の自分ができていたことを、1つのモチベーションにしています。今は去年の自分に追いついていない。そのおかげと言っていいのか分かりませんが、モチベーションはありますね。「ここまでできなきゃいけない」っていうのに到達していない分、頑張らないといけないので。

-自粛期間中に崩れてしまった理由は

考え方だと思うんですけれど…。考え方によっては、いい方向に変えられたかもしれないですし。日々のニュース、大学もオンライン授業なので、同世代の友達とも会わなくなったし、環境の変化が今までより少なくなってしまった。生活の中のメリハリが少なくなって、本当にスケートだけをやっている状況なので。それが原因とは言えないですけれど、何か今までとは違った環境が、そういう悪い影響を及ぼしているのかなという感じです。