昨季8位の東京羽田ヴィッキーズは同6位のシャンソン化粧品に敗れ、黒星発進となった。チームを引っ張る日本代表の本橋菜子(26)は、10得点5アシストを記録したが、勝利に導くことはできなかった。

シュートを打っても打っても決まらず、点差は縮まらなかった。前半3点ビハインドで折り返したが、後半は追い付こうとする気持ちが空回りした。フリーでの3点シュートやレイアップなどが、ことごとくリングに嫌われた。

本橋は「リバウンドを取って、もう1度リングにアタックすることが羽田のバスケット。単純にアタックする気持ちが足らなかったのかな」と悔しそうな表情を見せた。

相手の強力ディフェンスにドリブルで中に切り込めず、ボールを回すだけのシーンが続いた。フラストレーションがたまり、焦りから無理な体勢でのシュートなどミスを連発。本橋自身もターンオーバーやトラベリングのミスで流れを断ち切ってしまった。

「リバウンドのところはキーになると話していたが、甘さが出た。個人的にももっと積極的にゴールを狙っていきたい」と反省を口にした。

昨季は5勝11敗と負け越し。「接戦で勝ち切る力がない。後半大事なところでヴィッキーズのバスケができていなかった」と話していたが、開幕からその課題が露呈してしまった。

本橋は代表活動もあり、昨季は過密日程の中、納得のプレーができなかった。今季は入団2年目から務めてきた主将を信頼の置く、奥田に譲った。その奥田はチーム最多の18得点と奮闘したが「この日のために準備してきたのに負けてしまった。走って点数を取ることができなかった」と悔しさをにじませた。

自粛期間中は実家に戻り、心身ともにリフレッシュできたという本橋。万全の状態で挑んだ開幕戦だったが「みんなの前でプレーできたのはうれしかった。明日はもっと自分たちのバスケをもっと出していきたい」。

まだ1試合。チームの目標である4強入り、個人の目標である東京五輪に向けて前を向いた。【松熊洋介】