2勝1敗の駒大苫小牧が、勝敗で並んだ北海道栄を、当該チーム間の対戦成績で上回り初優勝し、初の全国選手権(ウインターカップ=12月23日開幕、東京)出場を決めた。決勝リーグ進出の4校が2試合消化時点で1勝1敗。激しい競り合いを制し、頂点に立った。2位の北海道栄も初の全国切符を獲得した。

祈るような思いで隣のコートを見詰めていた。駒大苫小牧は最終の白樺学園戦を制し2勝1敗。数分遅れて進行中のもう1試合は、後半に北海道栄が東海大札幌を逆転し勝利を挙げた。1位駒大苫小牧、2位北海道栄で、ともに全国切符。1カ月に1回ペースで練習試合をする仲の良いチーム同士、抱き合い涙を流し、喜びを分かち合った。藤岡大翔主将(3年)は「一緒に全国に行けてうれしい」と喜んだ。

コロナ禍で高校総体道予選が中止。詳細に戦力分析できない状況で、決勝リーグ進出の4校がしのぎを削る混戦となった。田島範人監督(45)は「お互いの力が読めなかったし、自分たちがやれることをやろうと伝えた」。みんなで守って走る。その泥くささが勝利をたぐり寄せた。

10月に205センチのセネガル人留学生、ティオウネ・ババカル(1年)が合流。言葉の分からない新人を助けようと全員で積極的に意思疎通を図った。藤岡は「何とか体を使って気持ちを伝えた」。細かい戦術を理解できる段階ではないが、田島範人監督(45)は「みんなで彼を助けようという流れができ、それが団結の材料になった」と言う。ティオウネも「先輩が優しくしてくれて、楽しくプレーできた」と笑った。

就任19年目の田島監督は、ようやくウインターカップの舞台に立つ。強豪能代工では3年時に全国4強も、自身は試合に出られなかった。「3年生ともう1カ月、一緒にやれることがうれしい。いい大会にしたい」。元建設リース会社の営業マンという異色の指揮官のもと、次は全国1勝を狙う。【永野高輔】

<決勝リーグ結果(15日)>

北海道栄 97-77 白樺学園

東海大札幌 65-58 駒大苫小牧

駒大苫小牧 102-66 白樺学園

北海道栄 85-77 東海大札幌

◆最終順位◆

(1)駒大苫小牧

(2)北海道栄

(3)白樺学園

(4)東海大札幌