新潟産大付は安城学園(愛知)に62-80で大敗した。22-42で折り返した後半こそ40-38とほぼイーブンのスコアだったが、もう手遅れ。前半につけられた20点のビハインドを最後まで挽回できなかった。24日は男子の開志国際が1回戦で登場し、専大付(東京)と対戦。女子の開志国際は実践学園(東京)との2回戦で初戦を迎える。

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スタートダッシュに失敗した。新潟産大付は立ち上がりにつまずいた。相手が敷くオールコートのディフェンスに足を止められ、ボールを相手陣に運んでも放ったシュートがリングに嫌われた。2点シュートは40分通算しても成功率31・5%。積み重ねたのは得点ではなく相手より10個多い18ファウルだ。相手の速さを止められず、第4クオーター(Q)終了間際にPF渡辺舞尋(3年)が5ファウル退場。ナイジェリア人留学生のCメリーRエマニュエル(3年)とPG大西こはる(2年)は退場“リーチ”の4ファウルで強い当たりを封印された。

佐藤裕幸監督(45)は「相手のスピードに慣れた時には遅かった。悔しい気持ちしか残らない」と言った。後半は互角以上だっただけに無念さを募らせた。ゲームにつぎ込んだメンバー11人の中で昨年のウインター杯を経験している選手は3人(途中出場を含む)だけ。大舞台の経験不足も露呈した。緊張に体を縛られて凝り固まったまま、立ち上がりに置いていかれた。佐藤監督は「終わって、自分たちが何をしたのか分からない状態」と言った。

光明は、ある。第3Q以降の後半はスコアで相手を2点上回った。2年生PGの大西はエマニュエルの19点に次ぐ18得点。「自分のプレーが最初から出せなくて後悔もある」と満足しないところは来年につながる。学校の第1体育館は9月から改修工事に入り、柏崎市内の公共施設を借用して練習してきた。「次はベスト8」と大西は来年をにらんだ。【涌井幹雄】

○…右足首の捻挫を押してPF渡辺はコートを走った。6日前の練習で右足首をひねり、痛み止め薬を服用。故障を度外視して初戦に挑んだが安城学園の高さにはね返された。平均身長は相手の172・9センチに対して162・3センチと10・6センチ差があった。「身長に圧倒されてシュートを打てるタイミングでも外してしまった」と7得点にも悔しさをにじませていた。