男子の宮城勢が快勝発進した。東北学院(宮城)は78-61で高岡第一(富山)を下し、16強に進出した前回10年出場に続く初戦突破。センター(C)木村祐誠(2年)が両チーム最多の36得点11リバウンドの「ダブルダブル」で勝利に貢献した。

東北学院が2度目の「ウインターカップ」も白星スタートした。190センチ超の長身2人を擁し、先発5人の平均身長で5センチ上回る相手に対し、チーム一丸の機動力で対抗。開始1分、女川渉(2年)の先制シュートで主導権を握り、1度もリードを許すことなく、クオーター(Q)ごとに点差を広げていった。就任33年目のOB帆足直治コーチ(55)は「リバウンドとスクリーンアウトが良かった」とリング下の攻防を評価した。

第1Qの攻防が明暗を分けた。開始2分、ターンオーバーから木村の3連続シュートで流れを呼び込み、10-0と約4分半を無失点に抑えた。第2Q以降もオフェンスリバウンドとルーズボールを支配し、波状攻撃を続けた。スチールも含めて、全国コートで36得点と爆発した木村は「すごくうれしいけれど、ミスも多かったのでもっと取れた。50点は狙えた」と貪欲に振り返った。

コロナ禍の中、夏の全国高校総体中止決定後に、3年生11人が受験勉強のために引退。3年生は先発2人を含め、ベンチ入り15人中5人だけの若いチームだ。試合前は引退した3年生からLINEなどで多くの激励を受け取った。今日25日の2回戦では法政二(神奈川)と前回出場と同じ16強進出を争う。会場の東京体育館には引退した仲間たちも駆けつける予定だ。木村は「引退した3年生たちの分まで戦いたい」と勝利を届け、喜びを分かち合うつもりだ。【佐々木雄高】