東京成徳大高(東京)の4回目の優勝はならなかった。桜花学園(愛知)に24点差の敗戦。第1クオーター(Q)に9点のリードを許したが、第2Qは厳しい守備と攻撃がかみ合って互角の戦いを繰り広げた。しかし、後半は前回女王の高さを生かした攻撃に突き放された。

古谷早紀(2年)のシュートがエアボールになった瞬間、試合終了のブザーが鳴った。連覇を喜ぶ桜花学園の選手たちを見詰めながら、東京成徳大高の15人のメンバーは肩を抱き合い、笑顔で涙を流していた。「最後は笑って終わろうと話し合っていました。勝てなかったけど、桜花を倒すために練習してきたことはすべて出し切りました」。山田葵主将(3年)の表情にも充実感があふれていた。

相手の得点源、江村優有、オコンコ・スーザン・アヤカの3年生ホットラインにプレッシャーをかけ、攻撃では積極的に外からのシュートを狙う戦術が第2Qに機能して、9点差を維持して後半に入った。しかし、ゴール下のオコンコへの正確なアシストパスを防ぎきれず、点差は開いていった。

昨年の全国高校総体3回戦で桜花学園に69-112の大敗。それら1年余りの間、コート上の5人が機能的に動き回るランニングバスケに磨きをかけ、シュートの精度も格段に向上した。雪辱はならなかったが、「43」から「24」に減った点差が成長の証しになった。

「桜花さんの第1プランをつぶせたところがあった。選ばれし者と選ばれなかった者の戦い。交代した選手も、ベンチメンバーも役割をわきまえて最後までよく戦った」と遠香周平監督(53)。準々決勝の安城学園(愛知)戦で劇的な3ポイントブザービーターを決めた佐坂光咲(2年)は「負けたことを宝物にするために、来年は絶対優勝したいです」。11年ぶりに決勝の舞台に立ち、敗れたことが東京成徳大高をもっと強くする。

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