18年ピョンチャンオリンピック(平昌五輪)銅メダルのロコ・ソラーレと、北海道銀行の決勝で、珍しいシーンがあった。

第4エンドで北海道銀行スキップ吉村が2投目でハウス中央を狙った。ドンピシャのドローショットで中央にぴたり。NO・1になったかと思われたが、近江谷のスイープでブラシが石に接触した。近江谷は「止まる直前にブラシが当たった。動く途中にあたると完全にアウト。ちょうど藤沢選手がブラシではきにきたタイミングで、確認に時間がかかりました」と説明。最高のショットだったが、近江谷が自らルールに抵触したとして石を無効とした。近江谷は「私のブラシです。ビデオ判定とかないので」と話した。痛恨のミスではあったが、近江谷は「ミスは戻せない。チームで『ここからもう1度やり直そう』と声をかけてくれた」。ミスをひきずらずに、優勝をたぐり寄せた。

カーリングでは審判は介入せず、石の距離をメジャーではかるぐらい。選手は、お互いに相手を尊重しながらフェアプレーの精神で、試合を進める。規則に抵触した場合は、選手同士で話して解決することがカーリングの精神だ。

得点差が開いた際に、負けている方が試合を終了する場合も、ギブアップという言葉は使わない。カーリングでは「コンシード」といって、その精神は「相手の勝ちを認める」ということ。選手同士がお互いをリスペクトしあいながら、試合を進めていく競技だ。