全日本柔道連盟(全柔連)の前事務局長による複数の職員へのパワーハラスメント疑惑を受け、山下泰裕会長(63)が26日、東京・講道館で記者会見を開いた。

前事務局長が今年1月に音信不通のまま自己都合で退職。聞き取り調査を行えなかったことを理由に、パワハラ認定はできず“疑惑”であることを強調した。日本オリンピック委員会(JOC)会長など重職を兼務する山下氏は、一連の騒動の責任を取り全柔連会長を辞任する可能性を示唆した。

山下会長の一問一答は以下の通り。

-本人の聞き取りができない中で、全柔連としてのハラスメント認定は

山下氏 前事務局長とは昨年12月以降、1度も会話していない。会社と同じように就業規則があり、本人に弁明機会を与えた後に処分を検討するはずだった。その機会がないまま退職してしまったので、処分はできなかった。

-適切な情報開示は

山下氏 こういった事務局内での案件は、私自身は理事会にかけたり公開しようとは思っていない。この判断が正しいかは、今後検証させてもらいたい。

-コンプライアンス委員会から名前が挙がった3人は

山下氏 前事務局長以外の2人は、人事異動などはない。(2人に対しても)職員によって大きく評価が割れており、私から注意するぐらいで良いだろうと考えた。

-一部報道を受けての対応に関して

山下氏 パワハラを調査した副会長らは「全柔連が隠蔽(いんぺい)した」ということに対して憤慨している。自分たちは外部からやってきて正当にやっていると主張していた。

-責任について

山下氏 私が全柔連に全く来なくなったりして、注意を払えなくなっていた。立場と能力の問題が大きく、全柔連会長として本当にこれで良いのかと悩み、懸念していた。私が私の役割を果たせてなかったということだと思う。一番は私に責任がある。