18年平昌五輪(オリンピック)男子の銀メダリスト宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が、今季のフリーを4回転ジャンプ4種5本の高難度構成にする方針を示した。通し稽古後、報道陣の取材に明らかにした。

今季のショートプログラム(SP)を「オーボエ協奏曲」にするのかどうか。22年北京五輪シーズンの目標は。記者団との一問一答は以下の通り。

-「フレンズ・オン・アイス」への思いは

宇野 まずは、今年も「フレンズ・オン・アイス」に出演することができて、とてもうれしいです。シーズンに入る前の、一番最後のアイスショーということで。このアイスショーを機にシーズンへ気持ちが切り替わる、練習内容も切り替わる節目。より競技に近い構成で滑ることを目標にしています。

-演じた「オーボエ協奏曲」は正式に今季のSPと決めたのか。また、スイスへの渡航時期など今後の予定は

宇野 両方とも、明確な答えを言いたいんですけれども、まず今季の試合が…僕はだいたい決まってはいるんですけれども、ステファン(・ランビエル)コーチが誰に帯同するのか。(同門の)島田高志郎君が「ジャパン・オープン」に選ばれて出るのかどうか。そしてステファン・コーチが来るのか。さまざまな状況が不確定なので正直。もしかしたら日本でみんなで練習するかもしれませんし、全く来ないんだったら僕がスイスに行く予定もありますし。どうなるか。SPに関しても、まだステファン・コーチの下で両方ちゃんとお見せできていないっていうのもありますし。有力なのはオーボエなのかなって自分で思ってはいるんですけれども、ステファン・コーチが違う方がいいって言えば、そちらになるかもしれないですし。そこが、僕が断言し切れない部分ではあります。

-両方と言うのは「オーボエ協奏曲」と、新たに作っていたもの(マイケル・ジャクソン「アースソング/ヒストリー」)の2択か

宇野 はい、そうです。

-考えているジャンプの構成は

宇野 まだ試合まで期間があるので。試合まで自分の調子が、もし今と同じならば、4回転ループ、4回転サルコー、4回転フリップ、4回転トーループの4種類を全部、フリーに入れたいと思っています。そのつもりで、この「フレンズ・オン・アイス」が終わり次第、練習に取り掛かろうかなと。今は1つ1つのジャンプなら、例年より、いいものが跳べているかなと思うので。あとは試合につなげる練習をしていけば、間違いなく、いつもより例年より、いい状態で試合に挑めるんじゃないかなと思います。

-確認だが、SPはフリップとトーループを想定していて、フリーは4回転4種の計5本ということでいいか

宇野 そうですね。4回転5本と、あとは(トリプル)アクセル2本を目指して。それ以上となると、いろいろ話が変わってきてしまうので。たぶん僕が、スケートをやっていた中で一番難しい構成になるんじゃないかなと思います。

-4回転ループを跳ぶのはルール改正後では初めてか

宇野 うー。ルールがいつ改正されたか正直、分からなくて。(平昌五輪後と聞き)僕のロンバルディア杯(冒頭のループを含む4回転4種5本を初めて跳んだ17年9月の大会)より前ですか? 後ですか? まあ、どっちでもいいんですけど、ループを試合でやること自体、すごく久々というか。(17年12月のグランプリファイナル以来)4年ぶりぐらいじゃないかなっていうくらい久々なので。正直まだ自信というのはないんですけれども、やっと練習でちゃんと跳べるようになってきたので。早く試合で成功させることが楽しみです。

-北京五輪シーズンだから挑戦するのか。それとも調子が上がってきたから考え始めたことなのか

宇野 僕はいつも、その時々にできるジャンプは限界まで入れたいと思っていて。今年はいろんなジャンプが、いい方を向いて。だから今年は4回転をいつもより多く想定して練習しています。決して、今年が五輪シーズンだからというわけではなく、そうでなくてもやったと思う。それこそ北京五輪シーズンだからこそ(確実性を優先し)まとめた演技を目指すべき、と言われたとしても自分の成長を。シーズンを通して、またその先のシーズンも見据えて、もっともっと成長したいと思うので。なので今年も挑戦できているのかなと思います。

-北京五輪シーズンの目標は

宇野 日本は本当にレベルが高いので。僕も五輪に出場できるように、毎日毎日、大切にしてるんで。またトレーニング頑張りたいなと思っています。