バスケットボール女子のアジア・カップは2日、ヨルダンのアンマンで準決勝を行い、日本はオーストラリアに67-65で競り勝ち、決勝に進んだ。

今大会から東京五輪で銀メダルに導いたホーバス監督の後任として恩塚亨監督(42)が指揮を執る。大きな声で選手を鼓舞するホーバス監督とは異なるスタイル。試合中、新指揮官は静かに戦況を見極め、前向きな言葉をかけて選手たちを勇気づける。

東京五輪ではアシスタントコーチを務めた。ソフトな語り口で物腰やわらかな印象も受けるが、行動力と実行力はたけている。女子日本代表とともに監督を兼任する東京医療保健大では、大学新設のタイミングで企画書を学校側に持ち込み、女子バスケットボール部の創部に奔走。関東大学女子連盟4部からスタートしたチームをまたたく間に1部に引き上げ、さらには大学選手権(インカレ)4連覇の強豪に育て上げた。

日本代表も、自ら売り込んで07年からアナリストとして関わるようになった。当初は自腹で海外遠征に同行。そんな熱意が実り、08年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪に帯同し、アナリストを務めた。就任会見では「ワクワクがあふれるバスケ界へ」と所信表明。その理想に向かって、選手たちを引っ張っていく。【奥岡幹浩】

◆恩塚亨(おんづか・とおる)1979年(昭54)6月5日生まれ、大分県中津市出身。中津南高-筑波大-早大大学院。東京医療保健大に06年に女子バスケットボール部を創設して短期間で全国有数の強豪に育て上げ、17年から全日本大学選手権4連覇。女子日本代表にはアナリストとして07年から関わり、17年にアシスタントコーチ就任。銀メダル獲得の東京五輪では当時のホーバス監督を支えた。