東京五輪の卓球混合ダブルスで金メダルを獲得し、現役引退を表明した木下マイスター東京の水谷隼(32)が23日、凱旋(がいせん)試合に臨んだ。

故郷・磐田市に隣接する袋井市で行われたT.T彩たま戦に出場。第1試合のダブルスで、東京五輪代表の張本智和(18)と組んだ。五輪後初となる地元でのプレーに「少しでも良いところを見せたかった」と気合十分で臨んだが、練習不足もあり1-2で惜敗。「思った以上に体が動かず、イメージとのギャップを感じた」と振り返った。

試合後は会場のMCに促されて、東京の勝利チームインタビューに登場。「五輪が終わって、直接皆さんに感謝の気持ちを伝えることができていなかった。改めて声援ありがとうございました」と頭を下げた。家族や友人、地元ファンなど、618人の観客から大きな拍手が送られた。

同会場で行われた女子の試合の合間にもトークショーを行い、静岡開催のTリーグを盛り上げた。24日の彩たま戦にも出場予定。「アスリートとしては、東京五輪で燃え尽きたという言葉が合っている。自分の中では(彩たま戦が)区切りと考えているので、泥臭くても勝利を届けたい」と力を込めた。【前田和哉】