先月の第1戦スケートアメリカで6位の小松原美里(29)尊(30)夫妻組(倉敷FSC)が、歌舞伎とのコラボレーションの成果を母国で出す。

スケートアメリカの後は米国で練習を重ねてきた。その中でリモート指導を受けたのが、歌舞伎役者の片岡孝太郎(53)だ。和テイストのフリー曲「SAYURI」の振り付けのアドバイザーとして支えてもらっており、美里は「片岡孝太郎さんに指導してもらい、手の表現などを増やしてもらいました」と改善に努めてきたことを明かした。

「難しいと思って相談したんですが、孝太郎さんがすごく頭がパカッとアイデア豊富で、新しいことに取り組む勉強熱心な方」と感銘を受ける存在。その人から習っている「手の表現」について「日本では手で枯れ葉を表現したり、芽吹くところを表してみたり。『スケートアメリカでは最後の表情が苦しそうだったけど、なぜそうなったか』と聞いていただいた。難しいことを助けてもらった」と感謝し、好演を約束した。

尊も「去年(日本でオリンピック代表になるため国籍変更し)日本人になりましたが、血は流れてません」と冗舌に笑わせつつ「手のつなぎ方とか何が必要で、何を見せたい、とか、いい勉強になりました。今からシーズンの最後まで勉強していきますけど、本当に日本の皆さまの前で和を演じられるのは光栄に思います」。世界に知れ渡る伝統芸能の歌舞伎。そのエッセンスも取り入れた「SAYURI」に日本への思いを込めて舞う。【木下淳】