19年ジュニアGPファイナル王者の佐藤駿(17=フジ・コーポレーション)がシニアGP初の表彰台に上がった。

ショートプログラム(SP)4位で迎えたフリー。冒頭の4回転ルッツ、続く4回転フリップに成功。現在、成功例がある4回転ジャンプの中で基礎点の高さが1位(ルッツ=11・50点)2位(フリップ=11・00)の大技2本を試合で初めてそろえてみせた。

「初めて試合でルッツとフリップを降りられた。フリップにはアテンション(踏み切り違反の疑い)が付いたんですけど、クリーンに降りることができたので、そこは良かったかな」

一方で、その後の4回転トーループではミスが相次ぎ「普段の練習からルッツとフリップが決まった後はトーループに響いていた。降りなきゃという気持ちが強すぎてステップアウトしてしまった。良くも悪くも練習通りだったなと思います」とも苦笑いした。

第1戦スケートアメリカは左肩脱臼の痛みと闘いながら4位。2戦目の今大会はSP87・82点、フリー177・17点、合計264・99点をマーク。SPと合計の自己ベストを更新した。「今まで最高スコアがジュニア時代のファイナルのスコアだったので、悔しいと思っていた。ジュニアGPファイナルの点数を超えられて良かった」と納得し、初のシニアGPメダル獲得となる2位の結果については「初めて(表彰台に)乗れたことは、目標でもあったし、すごくうれしい。でも、もっともっと。(優勝した同期の鍵山)優真に追いつくために頑張っていきたい」と、あらためて決意する一戦となった。

目標は22年北京オリンピック(五輪)出場。その日本代表最終選考会となる年末の全日本選手権(12月22~26日、さいたまスーパーアリーナ)に向けて「今回の試合で、いいところも悪いところも見つかった。悔しかった部分も含めて修正したい。SP、フリー両方ノーミスの演技ができるように、この後の練習を頑張っていきたい」と進むべき道筋を明確にしていた。【松本愛香通信員、木下淳】