ショートプログラム(SP)首位の鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)が、フリーも1位で完全優勝した。

今月上旬の第3戦イタリア大会に続いてGPシリーズ2連勝。初のGPファイナル(12月9~12日、大阪)進出を決めた。

SP100・64点、フリー185・77点、合計286・41点、全て1位。シニア転向2季目、実質初めてのGPシリーズながら上位6選手に全体トップの30ポイント(1位は15ポイント)で入り「GPファイナルは今季の目標の一部で、日本開催ということもあり、とても出たかった試合。GP2試合で優勝して行けたことは良かった。ただ、今の自分で戦えるか、優勝を争える実力があるか、と言ったら、そうではない。この大会を見ても前大会を見ても実力が感じられない。もっともっと練習して、4回転ループだったり、後半も、もっといいジャンプが跳べるように練習していきたいと思います」とメダリスト会見の真ん中で謙虚に振り返った。

言葉通り、この日は冒頭の4回転ループ挑戦を回避したが、4回転サルコーや4回転トーループ-3回転トーループの2連続など前半4回のジャンプは成功。一転、後半は4回転トーループで手をついたり、最後のトリプルアクセル(3回転半)が1回転半になるミスが出た。「優勝できたことは(実質)初めてのGPシリーズで、いい経験」とした上で「演技に関しては後半がひどくて。普段できることなのにミスしてしまったということは、気持ちだったり、根性だったり、が足りなかったかなと。うれしいか悔しいかで言ったら悔しい」と率直に打ち明けた。

日本勢では19年の羽生結弦(ANA)以来となるGPシリーズ2連勝。2週間後のGPファイナルではネーサン・チェン(米国)宇野昌磨(トヨタ自動車)ら国内外のトップ選手と頂点を争う。目指す22年北京オリンピック(五輪)の日本代表最終選考会となる全日本選手権(12月22~26日、さいたまスーパーアリーナ)も控え、勝負の師走へ。

「今できることの安定性を高め、ステップ、スピンのレベル(評価)を取る。あとは表現力をもっと磨き上げたいし、それは氷上でも陸上でもできること。4回転ループも、もっともっと練習しないといけない。もっと完璧な演技ができるように頑張りたい!」と向上心をほとばしらせた。【松本愛香通信員、木下淳】