虎の本拠地である甲子園で「虎ノ助」が学生最後の試合に臨む。全日本大学アメリカンフットボール選手権決勝・甲子園ボウルは19日に行われる。

西日本代表で甲子園ボウル3連覇中の関学大のDB竹原虎ノ助副主将(4年)と父・淳二さん(49)がそれぞれの思いを話した。

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父親の淳二さんは息子の活躍よりもチームの勝利が何よりの喜びだ。「虎(ノ助)の祖父含めて、家族総出で応援しています」。そんな中でも虎ノ助が甲子園ボウルに初めて出場したときばかりは特別だった。「息子が1年生の時に甲子園ボウルに出場して、グラウンドを走っている時、本当に鳥肌が立ちました。その時ばかりは涙が出そうなくらいうれしかった」。

名前の由来は阪神が好きという事もあったが、虎という漢字が格好良く、取り入れたかったので「虎ノ助」と名付けた。「名字が竹原やから、竹ちゃんとかそういう風に呼ばれないようにかっこいい名前をつけたんです」。

そんな虎ノ助は小学3年生から野球を始め、大阪ドラゴンズに所属し野球に取り組んでいた。ポジションは主にショートやセンターを守っていた。淳二さんはアメフト経験者ではないが、20歳の時にテレビでアメフトの深夜放送を見ていくうちにとりこに。ずっとアメフトのファンでもあった。自分の子供にもいつか「アメフトをして欲しいな」とひそかに思っていた。虎ノ助が生まれてからはアメフトに興味を持つきっかけ作りとして、人気アメフトコミック「アイシールド21」を家に置いていたことも。

月日がたち、虎ノ助が追手門学院高に入学した時、自らアメフトを選んだ。「野球以外で1番かっこいいスポーツがアメフトだと思い浮かんで」。

高校時代の活躍もあり、関学大に入学し、大学でも虎ノ介は各大会で活躍してきた。リーグ戦ではインターセプトを量産。21年に出場したライスボウル・オービックシーガルズ戦では、第4Qでインターセプト。劣勢だったチームに勢いを再びもたらした。また、今季58度目のリーグ優勝をかけた、11月14日の立命大戦でも後半にインターセプトを2回決め、躍動した。

しかし、淳二さんの前では甲子園でだけ、まだインターセプトを見せていない。淳二さんは「まだ甲子園ボウルではインターセプトを見たことがなくて。願わくば甲子園でもみたいなと思います」と笑みを浮かべた。

以前、虎ノ助は「甲子園に出て良いプレーをして両親に恩返しをしたい。頑張ります」と笑顔で話していた。今季のライスボウルは学生が出場しないため、今日が学生最後の試合-。応援してくれる家族のためにも全力で最後まで守り抜く。【三宅ひとみ】