2月開幕の北京オリンピック(五輪)で金メダル最有力候補に挙げられているシニア1年目のカミラ・ワリエワ(15=ロシア)が、またしてもSP世界歴代最高点を記録して首位発進した。

女子世界初の90点台となる90・45点をマークし、自身が今季のグランプリ(GP)シリーズロシア杯でたたき出した87・42点の世界最高を上回った。

貫禄の演技だった。冒頭で両手を挙げてトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷。長い手足を生かして華麗に舞い、3回転フリップ、ルッツ-トーループの連続3回転とジャンプを全て決めた。演技後はほほえみ、観衆の拍手を受け止めた。実況も「尋常じゃない。アンビリーバボー」と口にするほどの完成度の高さだった。

2位はルナ・ヘンドリックス(ベルギー)で76・25点。強豪ロシア勢はアレクサンドラ・トルソワ(17)が3回転半で転倒して75・13点の3位にとどまった。昨季世界女王のアンナ・シェルバコワ(17)も3回転ルッツの転倒が響き、69・05点の4位と出遅れた。

フリーは15日(日本時間16日未明)に行われる。

【カミラ・ワリエワ】

◆生まれ 2006年4月26日、ロシア・カザン

◆スケート歴 09年に始める。現在はモスクワを拠点とし、名コーチであるエテリ・トゥトベリゼ氏に師事。ジュニア1年目の19-20年シーズンはジュニアグランプリ(GP)ファイナル、世界ジュニア選手権の世代2冠。

◆趣味 ダンス、お絵描き

◆今季プログラム SP=イン・メモリアム

フリー=ボレロ

◆エテリ組 世界的指導者エテリ・トゥトベリゼ・コーチの下では、これまでにも多くの名選手が活躍してきた。スケート年齢(6月30日時点での満年齢)に当てはめると以下の通り。

◇2学年上 アンナ・シェルバコワ(17=21年世界選手権優勝)、アレクサンドラ・トルソワ(17=21年世界選手権3位)、アリョーナ・コストルナヤ(18=19年GPファイナル優勝)

◇4学年上 アリーナ・ザギトワ(19=18年平昌五輪金メダル)

◇6学年上 エフゲニア・メドベージェワ(22=18年平昌五輪銀メダル)

◇8学年上 ユリア・リプニツカヤ(23=14年ソチ五輪団体戦金メダル)