新潟アルビレックスBBラビッツはアランマーレに67-78で敗れ、16年12月3、4日の山梨戦以来5季ぶり連勝を逃した。第3クオーター(Q)に最大の22点差をつけられる劣勢から一時は9点差まで追い上げたが、逆転はならなかった。就任2季目の大滝和雄監督(76)は試合後、来季の進退について白紙とした。新潟は3月14、15日、今季最終カードでトヨタ紡織と東京・国立代々木第2体育館で対戦する。

ホーム最終カードを1勝1敗で終え、大滝監督は「悔しい試合でした」と言った。開幕からの連敗を20で止めた1戦目(26日)の快勝(82-69)とは打って変わって、この日は終始追う展開。第3Q終盤には29-51と22点差をつけられた。一時、ひと桁差に迫るなど追い上げるが、及ばなかった。

試合後のあいさつ。観客を前にマイクを手した指揮官は言葉に詰まり、目を閉じた。「選手に何とかいい思いをさせてやりたかったが…、負けた悔しさと、そういう気持ちもあって」と涙の理由を明かした。そして「私は3月31日で引退しますので」。その後に「(3月31日で)契約が切れる。その後はまだ決まっていないということ」と言い直した。今季は2年契約の最終年。球団との来季の話し合いは「これからになる」と白紙であると話した。

今季2試合を残し、1勝21敗。自身の中で現実的な最低目標としていた4勝には届かない。シーズン中、主将の北川直美(27)をはじめ、5人が負傷で離脱を経験した。「満身創痍(そうい)の中、選手は頑張ってくれた」と労をねぎらった。一方、「立て直そうとやってきたが、この状態が続くなら難しい」とクラブに環境改善の必要性を訴えた。

多くのチームが専用練習場を持ち、食事の管理もされているが、新潟は公共施設を借り歩き、実質的な練習時間は1日2時間ほど。食事も個人に任されている。就任前まで3季連続最下位で、就任1年目の昨季は1勝15敗で東地区6チーム中6位。「負けた責任はすべて私」と日ごろから腹はくくっている。それだけに「もっと選手を大切にしてほしい」。必死に目指したホームでの連勝。目的を果たせず、抱え続けた葛藤と無念があふれ出た。【斎藤慎一郎】