男子個人組手では大竹良介(3年=福島・尚志)が、下村彪馬(1年=福井工大福井)に3-2で勝利。残り1分7秒で相手に先取点を許すと、残り30秒では1-2とリードを許していたが、そこから大逆転。「メダルも取ったことがなかった」大竹が、最後の夏に日本の頂点を勝ち取った。

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わずか2分の目まぐるしい攻防を勝ち抜いた。大竹は、1回戦から3回戦まで上段突きでポイントを重ね、相手を圧倒。4回戦は4-3と競り勝ち。準々決勝は両者ともに有効打がなくタイムアップとなったが、3-1で判定勝ち。大竹は「昨日から勝てる気がしていました。取れるところでしっかりと点を取れました」。身体は軽く、頭もさえており絶好調だった。

準決勝は大竹が残り56秒で1ポイントを先取。しかし、残り20秒を切ったところで追いつかれると、残り7秒で1-2と劣勢となった。相手にうまく時間を使われ、残り0・7秒で一時試合が中断。だが、大竹は冷静だった。「相手がどう動くか、先が読めた。これしかないと身体が勝手に動きました」。開始の合図で飛び出し、0・6秒、上段突き一閃(いっせん)。突きが決まったと同時に試合終了のブザーが鳴り、自身初の決勝進出を決めた。

決勝も最後まで冷静だった。「逆転されても1点ずつ焦らずに返せました」。2戦連続の逆転勝ちで「日本一」。高校最後の夏に最高の勝利を得た。「最高です。言葉にできないくらいうれしい。ずっと負けていたので、周りの喜んでくれている顔が何より一番うれしかったです」。昨夏は16強、メダル獲得は1度もなく、入賞も今春の選抜代替大会5位、1度のみ。大竹は「負けているところばかり見せてきた。最後に勝つところを見せられて本当に良かったです」と、優勝の喜びをかみしめた。「次は世界一を目指して頑張りたい」。日本一を通過点に、さらなる高みを目指していく。【濱本神威】