留萌から世界へ-。卓球の全日本選手権は23日、東京体育館で開幕する。U15(15歳以下)日本代表の松元菜音(なのん、留萌中3年)が一般の女子シングルスに初出場。24年パリ・オリンピック(五輪)の選考ポイントも獲得できる国内最高峰のトーナメントで、夢へのスタートを切る。
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中学3年生の松元が、伝統ある全日本選手権の一般の女子シングルスに初挑戦する。相手は社会人、大学生、高校生など、自分より年上の選手ばかり。「大人の選手とプレーするのは楽しみ。スーパーシードで1番組み合わせが近い、カットマンの黒野(葵衣=早大4年)さんと対戦するところまで行けたら」と、まずは3回戦進出をターゲットにした。
まだ14歳だった昨年10月の北海道選手権で8強まで勝ち上がり、全日本選手権一般の出場権を手に入れた。フォアからもバックからも放てる持ち味の強打で、お姉さん選手を翻弄(ほんろう)した。松下英司コーチ(50)は「小さいころから男子選手と一緒に練習をしていたので、自然と力のあるボールが打てるようになったと思います」と話す。
男子日本代表のオフィシャルサプライヤーVICTASと、留萌市の連携協定で派遣された松下コーチを追い、1年半前に東京から港町に移住した。競技を始めた小2のころから、自宅からほど近い協和発酵キリン卓球スクールで学んだ師匠とは、強い信頼関係で結ばれている。「わずかな動きですが、コーチに言われた部分を修正すると、プレーが変化します。最近もひじを少し上げたら、ショットが安定しました」と話す。
転校して初めて迎えた昨年の冬は、留萌港から吹き付ける強い風と雪に「びっくりしました。歩けないこともありました」と笑う。今年も冬は厳しいが、指導環境を維持するために留萌高への進学を決めた。
昨秋にはパリ五輪日本代表選考会に出場できるほど実力を上げており、成長を実感できているからこそ、今後3年間は北海道で挑戦する。「インターハイの目標は優勝。日本代表やオリンピックはわからないですけど、可能性があれば」。まずは中学生らしくがむしゃらに、シニア戦へ立ち向かう。【中島洋尚】
◆松元菜音(まつもと・なのん)2007年(平19)10月27日、東京・板橋区生まれ。板橋蓮根小2年の時に、自宅最寄りの協和発酵キリン卓球スクールで競技を始める。小6で全日本選手権ホープス(小6以下)8強。留萌中1年で全日本選手権カデット(14歳以下)3位。昨年9月のパリ五輪日本代表選考会出場。22年度U15日本代表。趣味は映画観賞。160センチ、50キロ。家族は両親と兄2人。
◆全日本選手権の出場資格 一般男女シングルスの出場に年齢制限はない。都道府県予選の結果や、協会の推薦などの参加規定を満たす選手は出場できる。ジュニアは高校2年生以下で、カデットは13歳と14歳の2種目。小6以下がホープス、小4以下がカブ、小2以下がバンビだが、いずれも下限年齢は設定されていない。女子シングルス最年少勝利は、11年に現日本代表の伊藤美誠(22=スターツ)が記録した10歳2カ月。
◆中西俊司留萌市長(66) 今は張本美和さん(14=木下アビエル神奈川)など強い選手がいて、ジュニアの部も勝ち進むのは相当に難しいはず。当然シニアを勝ち上がるのはさらに難しいと思いますが“勝つ”という目標を持って、1戦1戦戦ってほしい。応援に行きます。


