意地でファイナルステージ(FS)進出へ望みをつないだ。リガーレ仙台が大野石油広島に3-2で逆転勝ち。エース末永真由(26)が第5セット(S)の6得点を含む両軍最多22得点でチームをけん引した。

手に汗握る激闘を制した。第1Sで25-13と圧倒した勢いを持続したかったが、試合前時点でサーブ効果率がリーグ2位タイの相手にサーブで崩され、自分たちのいい形で攻撃ができない苦しい展開に。持ち味の粘り強いバレーも影を潜めてミスも起き、第2、3Sを落とした。負ければFS進出が危ぶまれる一戦で末永が奮い立った。

「自分の仕事はスパイクを決めること。トスが上がったら絶対に全部決める気持ちを常に考えていた」

Sカウントを2-2のタイに戻し、勝敗が決する第5S。仙台商(宮城)出身で高卒1年目の鈴木音(のん、19)が連続得点で会場を沸かせると、6-8からは末永にボールが集中。スパイクで得点すると雄たけびを上げ、会場のボルテージも上げた。先にマッチポイントとし、最後は鈴木音のスパイクで大きな1勝を積み上げた。

迫力が増した応援も力になった。Vリーグの新型コロナウイルス感染対策のガイドラインが改定され、マスク着用での声だし応援が可能に。2階席では末永の応援Tシャツを着用した約40人の応援団が背中を押してくれた。末永は「応援してくださる方がたくさんいることをあらためて実感した。応援がパワーに変わり、勝利を届けられたのは良かった」と喜んだ。

上位3位以内のFSを狙う5位リガーレ仙台は今日26日、4位ブレス浜松と直接対決。負けられない一戦に向け、佐藤あり紗選手兼監督(33)は「対策したことができるように戦略を練っていきたい」と言葉に力を込めた。アウェーで行われた1月22日の前回対戦はフルセットで勝利。ホーム最終戦を勝利で締め、歓喜を分かち合う。【相沢孔志】