柔道男子73キロ級で五輪2連覇の大野将平(31=旭化成)が、24年パリオリンピック(五輪)での3連覇を目指さず、来年度から英国で指導者として研修を行うことになった。7日に都内で会見した。

登壇し、深く礼をして語り始めた。「来年度よりJOC(日本オリンピック委員会)の海外研修制度を使用して2年間、イギリスへいくことが決定しましたのでご報告させていただきます」と説明した。パリ五輪の代表選考には参加しない。

選手生活についても、独特の信念を語った。「ずっと私自身の考えですが、柔道家に引退はない、一生修業だと考えています」「引退だとか、一戦を退く、というような表現、小さな枠組みで捉えていただきたくない。柔道人生はもっと長い。終わりみたいな雰囲気にされると互いにさみしく、悲しくなる。できれば、私自身が柔道界に残してきた功績を思い出す1つの機会にしていただければうれしいです」と願った。

「試合は命をかけた物という考えは変わっていません」。すぐに試合に出ることは考えていない。ただ、「(柔道に)違った接し方が見えてきたら、もう一度試合に出るかも知れない、ということです」とも述べた。

◆大野将平(おおの・しょうへい)1992年(平4)2月3日、山口県生まれ。東京・世田谷学園高-天理大-旭化成。中学生で上京し、古賀稔彦、吉田秀彦、海老沼匡らを輩出した柔道私塾「講道学舎」で鍛え上げられた。13、15、19年世界選手権優勝。16年リオ、20年東京五輪優勝。右組み。得意技は大外刈りと内股。世界ランク13位。趣味はサウナ。海外では「サムライ」と呼ばれる。170センチ。