22年北京五輪銀メダルの鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)が97・91点の高得点をマークして3位発進した。

冒頭の4回転サルコーで大きな加点を引き出すと、ルッツ-トーループの連続3回転も鋭く決めた。複雑で細かな振り付けをちりばめ、運動量も豊富な作品に、音楽の一体感を高めていく。後半のトリプルアクセルも決め、気迫のこもった表情でフィニッシュまで滑りきった。

「もう何も守るものはないし、もうただただ上を目指して突っ走るだけだと感じていたので、そこら辺は何の不安もなく、自信を持って今日は臨めたかなと思います」。力強く振り返った。

2日の公式練習後には、いま最優先するのは「今季特に意識しているスケーティングや表現面」と説いた。今大会に帯同する14年ソチ五輪銅メダルのカロリナ・コストナーさんからも新たな表現方法を学んでおり、ジャンプとのバランスを十分に考えて過ごしている。

ケガの影響で1試合の出場にとどまった昨季からの復帰シーズン。ジャンプの種類は冷静に制限しながら、段階を踏んでいる。4回転1本の構成を試合で貫徹し、「安心して次の構成に進めるかなっていう思いがすごく強い」とし、同時に「下の点数(演技構成点)が8点台2つあったので、改善と、あとはスピンのGOEももっと稼げると思うのでしっかり意識して」とさらなる得点の積み重ねも視野に入れた。

この日の感覚を「(北京)オリンピックの時と感覚が近かった」と言った。「すごい新鮮な気持ち。初めて出場したかのような感覚で、すごいワクワクしながら今日のショートを迎えることができました」。復活にかけるシーズンの心理だろう。「0から始める気持ちでやっている」という、その覚悟と意欲が、高揚感を生んだ。

SPを終えて3位。101・58点のマリニン(米国)と101・07点のシャオイムハ(フランス)、ともにルッツ含む4回転2本を決めた上位勢とは4点差以内。4回転1本で射程圏に捉えた。「いい気持ちで臨めるとは思います。今日、本当にいつも通り、練習通りできたと思う。明日も落ち着いて、自分にしっかりと集中しながらいい演技ができるように、会場を沸かせられる演技ができるように頑張りたい」。フリーは4日に行われる。