【北京=藤塚大輔】島田麻央(15=木下アカデミー)が日本勢初のジュニアGPファイナル連覇を飾った。

ショートプログラム(SP)2位から巻き返し、フリー138・06点で合計206・33点。年齢制限により26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪には出場できないが、大技トリプルアクセル(3回転半)と4回転ジャンプを日本女子で初めて同時成功させる快挙も達成した。上薗恋奈(LYS)は196・46点で3位、中井亜美(TOKIOインカラミ)は187・04点で5位に入った。

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挑み続けてきた大技2本を決めると、島田はほっと口元を緩めた。「全然違うジャンプ。両方調子を上げるのがすごく難しい」と苦心してきたが、出来栄え点(GOE)は3回転半が1・60、4回転トーループは2・17の完成度。昨季から挑み、今季8試合目でのダブル成功に「海外の試合で認められたことがなかったので、うれしい」と声を弾ませた。

日本勢初の連覇の知らせは、取材エリアで伝え聞いた。「聞くまでドキドキしてた。まだ実感がわかないけど、うれしい」。SP首位から制した昨年と違い、今年は後ろに滑走者を残しての演技。拍手に包まれた中でも一抹の不安があった。そんな思いも拭い去られ、満面の笑みを浮かべた。

昨シーズンは中学2年生ながらジュニアGPファイナルと世界ジュニア選手権で2冠を達成。そんな大舞台での経験がありながら、受け答えはどこか控えめだった。変化があったのは、7月の全日本ジュニア合宿。練習冒頭のスケーティングでは先頭を滑り「今季からはどんどん前に行こう」という姿勢を披露。その約3週間前に参加した坂本花織ら先輩スケーターとの合宿、そして、この合宿で感じた年下選手たちの成長に突き動かされた。

今季は、たとえジャンプの調子が上がらなくても常に2本を演技に組み込み続けた。土台にあるのは、その名前の由来でもある浅田真央さんの3回転半に挑み続けた姿。「(自分も)挑戦する姿を見せていきたい」と、ぶれなかった。

その姿勢は今大会も変わらない。SP2位で迎えたフリー早朝の通し練習。4回転トーループが1回転となるミスが出ると、出場6選手の中で最後までリンクに残って跳び続けた。本番前にはルーティンの昼寝で気分転換し、「朝の練習と試合は違う日。思いっきりやるしかない!」と切り替えた。

SP、そして午前の悪いイメージを吹っ切って立った決戦のリンクの先に見えた成功の景色。「悔しくてもやり続けた成果が出た」と、かみしめるように言った。また1つ階段を上った世界ジュニア女王。年齢制限で26年の次回冬季五輪には出場できずとも、常に前を向き、滑り続ける。

◆島田麻央(しまだ・まお) 2008年10月30日、東京都生まれ。5歳で競技を始め、19、20年の全日本ノービス選手権で優勝。21年全日本ジュニア選手権では94年の荒川静香以来のノービス世代“飛び級”優勝。今年11月の同選手権では、荒川、安藤美姫に並ぶ3連覇を達成した。名前は母親が好きな浅田真央さんにちなむ。京都・広野中3年、木下アカデミー。150センチ。

上薗恋奈(初出場で3位)「すごく楽しんで滑れたのでよかった。(フリー、合計で)自己ベストが出て、すごくうれしかった」

中井亜美(2年連続出場で5位)「腰の痛みがあったけど、この試合に向けて追い込んできた。自信にも経験にもなった」