男子はVリーグ1部(V1)のパナソニックが、5大会ぶり5度目の天皇杯制覇を飾った。昨季V1覇者の名古屋に3-1の逆転勝利。

今季から加入した日本代表のエース西田有志(23)が26得点を挙げ、頂点に導いた。女子は、西田の妻で日本代表主将の古賀紗理那(27)を擁するNECが久光を3-1で下し、2大会連続2度目の皇后杯優勝。西田とともに夫婦そろってMVPに輝いた。

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満員に膨れ上がった会場に、西田の絶叫が響き渡った。5大会ぶりの優勝を決め、仲間たちと抱き合ったパナソニックの新エースは、歓喜がにじむ声で言った。「簡単ではなかった。優勝が目標だったので1つ達成できてうれしい」。大仕事を終え、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

立ち上がりの第1セット(S)は「勝ちたい気持ちが強すぎて…」と被ブロックが目立ったが、仲間の活躍にエンジンをかけられた。セットカウント0-1で迎えた第2S。ビハインドの展開を強いられた中、2枚替えで自身に代わって出場した清水がブロックやアタックで流れを変えてくれた。「こんなんじゃダメだな」。コート外から己を冷静に見つめ直した。

このセットの16-21で再び登場し、迷いないスパイクを連発。22-24から2連続スパイクで追いつき、28-29からの連続バックアタックで逆転した。エースの意地がチームに火を付け、このセットを奪うと、その勢いのまま優勝を決めた。「タフな試合だったけど、自分たちに余裕を持てたことが勝利につながった」と胸をたたいた。

昨年ジェイテクトで天皇杯を制したが、新天地では初タイトル。さらに、妻の古賀とともに夫婦でMVPのおまけ付きだった。「家族なので2人で達成できてうれしく思います」と照れくさそうに笑った。次は5季ぶりのVリーグ制覇、そして、パリ五輪へ。西田の栄冠ロードは続く。【勝部晃多】