東京オリンピック(五輪)銀メダルの日本(世界ランキング9位)が、今夏のパリ五輪出場を決めた。最終戦でカナダ(同5位)を86-82で破って通算2勝1敗とし、五輪出場権を得られる3位以内が確定した。16年リオデジャネイロ五輪、21年東京五輪に続き、日本の五輪出場は3大会連続となった。
緻密な準備で、パリ五輪への切符をつかみ取った。昨年10月に世界最終予選の組み合わせが決まると、恩塚亨監督はスタッフたちとともに、対戦相手3チームの映像を繰り返し再生した。1月上旬の強化合宿開始までの約3カ月で、再生時間は200時間以上に及んだ。
連係プレーの1つであるピックアンドロールのシーンや、あるいはゴール下のポストプレーのみの映像をつなぎ合わせるなど、特別映像も編集。それらを活用し、相手の弱点を徹底分析した。そのうえで強化合宿に臨んだ指揮官は「情報を整理し尽くしたうえで、必要なことをいま落とし込んでいる」と説明した。
敵の弱みをつくことと同時に取り組んだのが、自分たちの強みを最大限に発揮する方法だ。外角シュートを多用して東京五輪で銀メダルを獲得した日本の戦術は、当然ながら相手チームも把握している。だからこそ「自分たちのバスケットをすれば勝てるというほど、世界は甘くない」と自覚。ならば自分たちのバスケットができなくなるのは、いったいどんな場面なのか。1つ1つのプレーを洗い出して解析を重ねた。それを克服するにはどんな技術が必要なのか。限られた時間のなかで、的確に優先順位をつけて強化を重ねた。
日本が最終予選で入ったグループは、国際連盟(FIBA)の公式サイトが「死の組」と称したほど実力を持つチームがそろっていた。それでも初戦に世界ランキング4位の強敵スペインを撃破。地元ハンガリーに敗れて崖っぷちに立たされたが、最終戦で格上カナダを破って五輪切符をもぎとった。大会前に恩塚監督は「1戦必勝。パリ五輪切符を勝ち取って帰りたい」と意気込んでいた。周到に準備を重ねた成果を、激戦区突破に結びつけた。
◆パリ五輪バスケットボール競技 5人制は男女各12チームが出場。7月27日から8月11日にかけて実施され、1次リーグはスタッド・ピエール・モーロワ、決勝トーナメントはベルシー・アリーナで行われる。3人制はパリ中心部のコンコルド広場で7月30日から8月5日に行われる。


