12年ロンドン五輪銀メダルの入江陵介(34=イトマン東進)が男子200メートル背泳ぎ決勝で3位に終わり、日本競泳初の5大会連続五輪出場を逃した。進退については明言を避けたが「最後は自分をほめてあげたい」と口にした。竹原秀一(19=東洋大)が派遣標準記録(1分56秒92)突破の1分56秒28の1位で初の五輪切符をつかんだ。

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東洋大1年の竹原が、背泳ぎの新たな顔に名乗りを上げた。序盤から攻め、1度もリードを許さずに1分56秒28の自己ベスト。予選から好タイムを連発し「前半から気合が入りすぎちゃって、そのまま流れでいっちゃった」と苦笑いした。

隣のレーンは、長くけん引してきた先輩だった。4歳の頃に入江は北京五輪に出場。物心がついたころから憧れてきた存在に「おめでとう。ここからだよ。オリンピック頑張ってね」と声をかけられた。「陵介さんの顔、言葉が心に刺さりましたし、一緒に(代表に)入りたかった気持ちが強かった」と目が潤んだ。

大会前の自己記録1分56秒93を大幅に更新したが、入江の日本記録1分52秒51と差はある。「勝てたけれど、もっと努力が必要。これから自分が背泳ぎを引っ張っていくつもりで頑張りたい。パリ五輪では決勝を目指して、決勝でメダル争いに食い込みたい」。平井伯昌コーチと歩む新星が、未知の可能性を切り開く。