五輪初出場を目指した小方颯(20=イトマン港北)は、100分の1秒届かずパリ切符を逃した。3大会連続出場を果たした瀬戸大也に続き、1分57秒52の2位でフィニッシュ。順位はクリアしたものの、タイムが派遣標準記録の1分57秒51にほんのわずか足りなかった。「あと100分の1秒。すごく悔しいけれど、自分がやってきた結果。悔いはない」。大きな声で、堂々と話した。

3番目の平泳ぎで力んでしまい、最後の自由形でも伸び切れなかった。レース直後、隣のレーンの瀬戸から「お疲れさま」と言葉を掛けられた。「涙が出そうになった。大也さんと個人メドレーを引っ張っていきたかったので、そこは残念」と素直な思いを口にした。

この種目では22年日本選手権で優勝し、23年同選手権は2位。国内トップレベルで活躍してきた日大2年生は「この悔しさが今後の強さになればいい。世界で戦えるレベルの準備をして、また4年後に挑戦したい」。この経験を糧に、もっともっと強くなる。【奥岡幹浩】