京都成章が、初優勝へ王手をかけた。過去7度の優勝を誇る東福岡(福岡第1)を破り、20年度大会以来5大会ぶりに決勝へ進出。前半8分、ロック土肥祐斗(3年)の先制トライを皮切りに主導権を握り、計6トライ、4ゴールで38得点。守備でも伝統の「ピラニアタックル」で相手の動きを止め、京都勢4校目となる日本一へあと1勝とした。7日決勝の相手は3連覇を狙う桐蔭学園(神奈川第1)。20年度大会決勝で敗れた雪辱を果たす。

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土肥の表情は晴れやかだった。「もう素直にうれしい。最高っす」。優勝7度、準優勝4度を誇る強豪を撃破しての決勝進出。5大会ぶりにつかんだ夢の切符に、思わず口元が緩んだ。

前半に2トライを挙げ、リードする展開。隙間を縫うような相手のアタックにもしつこくしがみつき、ロングゲインを許さなかった。12-5の後半も用意してきたサインプレーがはまり、12分までに4トライを追加。相手に攻撃機会を与えず、終わってみればダブルスコアの快勝だった。

チームの最大の武器は守備だ。ボールを持つ相手に群がり、一度食いついたら離さない。そんな数的優位を作り出すタックルは「ピラニアタックル」と呼ばれてきた。今大会でも4試合の平均失点は10・25点と安定感は抜群。前監督の湯浅泰正氏が生み出したスタイルだったが、23年に退任した後もチームの軸として残り続けている。

土肥も、その守備に魅了された一人だ。21年1月9日、花園決勝。「初めて花園を見て。1回つかんだら離さへんし、どれだけでかいやつでも全部止めるし、すごいディフェンスやなって」。ラグビーを始めたばかりの中学1年生の目には、画面越しでも“ピラニア”ぶりが衝撃的に映った。

憧れたあの舞台に、自分がゲームキャプテンとして立てる。相手はくしくも、20年度大会と同じ桐蔭学園だ。注目ポイントはもちろん「ディフェンス」と土肥。相手は2連覇中の強豪だが、いまだに脳裏に焼き付いている衝撃を再現すれば、初の日本一も決して夢ではない。【竹本穂乃加】