<高校ラグビー:御所実19-14慶応>◇3回戦◇1日◇花園

 慶応(神奈川)が勝利を目前にしながらラストプレーで逆転を許し、涙をのんだ。今季練習試合を含めて2戦2敗だった難敵をぎりぎりまで追い詰めたが、リベンジはならなかった。

 前半11分に先制を許したが、後半2分にロック辻雄康(3年)がゴール前のラックから飛び出して相手の守備ラインをこじあけ、同点につながるトライを奪う。

 21分にふたたびトライを許し、7-12と劣勢で迎えた後半30分だった。御所実ゴールライン目前のラックでの激しい攻防の末、プロップ竹内翼(3年)がボールをインゴールへねじ込み土壇場で14-12と逆転に成功。大歓声とともに、スタンドの黒と黄色の旗が乱れるように揺れた。

 御所実のキックオフで慶応にボールが渡り、このまま試合終了かと思われた。しかし、強烈なコンタクトでボールを奪われ、モールでゴール目の前まで迫られた。後がない御所実の最後の猛攻を受け、慶応の守備ラインに少しずつ乱れが生じた。2分のロスタイムをとうにすぎた後半35分、ついにWTB竹山晃暉に突破を許し、力尽きた。

 稲葉潤監督は「相手の執念で勝負だ決まった。最後でミスが出てキープできなかった。力不足でした」と悔やんだ。大黒柱の辻は「逆転してからも最後まで集中しようと仲間に言われて意識していたが、自分のミスで最後ボールをとられてしまった。悔やみきれない。申し訳ない」と涙をこらえられなかった。