<全国高校バスケット選抜優勝大会:福岡大大濠80-68聖和学園>◇第4日◇26日◇男子3回戦◇東京体育館

 聖和学園(宮城)は今夏総体Vの福岡大大濠に敗れたが、一時2点差に迫る健闘を見せた。

 負けても聖和学園はさわやかだった。全国総体の王者相手に力を出し切った。阿部昭宏監督(36)が選手をねぎらった。「物おじせず堂々とやれた。3年生は信じてついてきてくれた。夢の舞台で普段通りのプレーができた」。

 最後は12点差をつけられたが、第4クオーター開始直後に51-53と2点差に詰め寄った。初出場の3年前の大会をテレビで見て入学した先発の3年生5人が、「徹底してやってきた」(阿部監督)コンビネーションで攻守に動き回った。14得点を挙げたPF針生信洋(3年)は「リバウンド、競り合いは通用した」と胸を張った。

 宮城県内では2連覇を狙う明成と何度も顔を合わせた。「それが強みになった」と阿部監督。日本一のチームに負け続けても、守備から流れをつかむ収穫もあり、全国で戦える自信をつけた。本来なら県2位で出場はできないが、明成が全国総体2位で既に出場権を獲得していた。運もあった。

 3年前に並ぶ2勝しての16強。阿部監督は「すがすがしい気分です」。針生も「最初から最後まで楽しかった」と言った。聖和学園2度目の出場は、悔い1つなかった。【久野朗】