<卓球:世界選手権>◇1日◇女子シングルス3回戦◇横浜アリーナ

 石川佳純(16)が勝利のコツをつかみ、16強入りした。女子シングルス3回戦は福岡春菜との日本人対決。1-1で迎えた第3ゲームは10-10のジュースから一進一退の攻防。14-13で迎えたゲームポイント、石川は自らタイムを取った。「リードを広げられる大事なポイント。ここで勝負をかける」。集中力を高め、福岡の必殺技「王子サーブ」を返してラリーを制した。勝負どころを見極め、勢いに乗って4-1で完勝した。

 福岡とは昨年10、12月の代表選考会で勝利するなど分がよかった。福岡はその戦いを踏まえ、サーブの角度、コースを複雑に変えてきたが、石川は第2ゲーム以降はしっかり対応した。前日の2回戦で世界ランク10位の帖雅娜(香港)から金星。「前は苦しい時にボールを選ばずに打ってミスしていた。でも今は打てるボールを打っている」。前夜は興奮のあまり、珍しく20分も寝付けなかったが、新たな才能が目覚め始めている表れでもあった。

 2日の4回戦は同33位ユ・モンユ(シンガポール)との対戦。「今まで3戦全敗。両ハンドがうまくてミスがない。でも今回は今まで勝てないと思っていた相手に勝っている。応援を力にしたい」。残る女子シングルスは石川だけ。日本の希望として03年の福原以来の8強を目指す。【広重竜太郎】