<卓球:世界選手権>◇5日目◇2日◇女子ダブルス3回戦◇横浜アリーナ

 福原愛(20)平野早矢香(24)組はドイツペアに競り勝ち、準々決勝に進出した。

 最後はバックハンドの強打を鮮やかに決めた。シングルス、混合ダブルスは2回戦敗退で、最後の種目でメダルに王手。「3月のドイツオープンで負けていたし(今大会の)シングルスでも負けた相手だったのでダブルスにかけていた。勝ててうれしい」。因縁のシャルを破り、声が弾んだ。

 第1ゲームを奪い、続く2ゲームを連取された。逆転負けしたシングルスが頭をよぎったが、慌てなかった。35歳のシャルは180センチの長身でスピードに欠ける。ともに右利きでポジションを入れ替えながら打ってくる相手ペアを、球の浮き上がりをたたく速攻で攻略。平野は「特に作戦は話さなかったけど、お互い考えていることが分かった。今までで一番良かった」と話し、福原も「気持ちが通じた」と興奮気味だった。

 3日はメダルをかけて世界2位の郭躍、同3位の李暁霞と、第1シードの中国ペアと対決する。5日に67歳の誕生日を迎える父武彦氏の「メダルを取ってくれたら何よりのプレゼント」という期待に応えたい気持ちは強い。福原は「ずっと中国に勝つのが目標だった。実力以上のものを出したい」と、大一番へ気持ちを奮い立たせた。【高田文太】