<東都大学野球:亜大5-4中大>◇第3週最終日◇22日◇神宮

 亜大が5-4で中大に逆転サヨナラ勝ちし、今季初勝ち点を挙げた。延長10回裏、同点に追いつきなお2死二塁で、代打伊藤翔外野手(3年=市和歌山商)が右中間を破って劇的な勝利を挙げた。リーグ戦の初打席で価値ある初安打を放った。

 リーグ戦初スイングが、価値あるサヨナラ打を生んだ。10回2死二塁の場面で代打に起用された亜大・伊藤の一振りだった。初球を見逃したあとの2球目、内角速球を右中間に運んだ。伊藤は「監督から外のまっすぐだけ狙えといわれて。打ったのは内でしたけど」と言って照れた。

 4回に2点目となるソロ本塁打を放ったプロ注目の中田亮二主将(4年=明徳義塾)がこう話した。「伊藤?

 弟分です。打つ方は問題ないヤツです」。100キロを超える中田そっくりの体つき。現在88キロで、中田が「ブーちゃん」の愛称を持つことから「小ブー」と呼ばれる。

 生田勉監督(42)は「思い切りバットを振れる子」と評価する。前日は、東浜巨投手(1年=沖縄尚学)の初完封で勝ち、この日は初安打で初勝ち点。同監督は「東浜が流れを変えてくれました」とニンマリしながら、前日の東浜のように食事の約束はしなかった。「今日は焼き肉なしです」。伊藤の食欲をおそれたのかもしれない?【米谷輝昭】