“清宮世代”が、さっそく大暴れだ。来春のセンバツ出場につながる第68回秋季全道高校野球の札幌地区予選が、10地区のトップを切って開幕。1回戦で札幌静修が北広島西を7回コールドで下した。1年生の5番打者、美柑天吉(みかん・てんきち)三塁手が、公式戦初安打初打点を含む3打数2安打2打点と大奮闘。自慢の笑顔でチームを鼓舞する珍名君が、今秋の主役を狙う。
笑顔なら、今夏の甲子園を沸かせたスーパー1年生、早実(東京)の清宮にだって、負けていない。札幌静修の5番に座る1年生、美柑が、右へ左へ、気持ち良く打球を飛ばした。まずは、2-0で迎えた3回2死二、三塁。左前へ走者一掃の適時打を放つと、5回には2死走者なしから逆方向へ。「練習試合で全然、打てなくて、先輩にもっと後ろで捉えろと言われていた」。これが、追加点につながる一打となり、本人もベンチもホクホク顔のコールド発進につながった。
入学早々ベンチ入りした、期待のルーキーだ。今春の札幌地区予選で「7番ファースト」でスタメンデビューを果たしたが、無安打。高校初安打を狙った夏は、バント練習中に右人さし指の皮が裂けて8針を縫う大けがを負い、大会直前にメンバーを外れるなど悔しさも味わった。「持ち味は、狙った球を逃さないバッティングと笑顔です」と胸を張る通り、チーム屈指の明るい性格で、リハビリ期間も乗り越えた。
名字の「美柑」も、チームメートから呼ばれる「天吉」という名前も珍しく「1発で覚えてもらえるから」と、本人は気に入っている。親戚以外に、同じ名字の人を知らない。「冬にこたつの中で食べるミカンが好き」と丸顔でニコニコ応える16歳を、木無真人監督(35)は「将来的にチームの核となる存在。気持ちの面でも引かず、思い切りも良い。失敗しても、下を向かない」と評価する。今秋は、投手としても起用の予定だ。
13年秋、14年春と全道大会を経験した世代が抜けて、新チームは8月中旬以降、練習試合で連敗が続いていただけに、不安一掃の快勝スタート。爽やかな元気をくれる果実のように、まぶしい笑顔の1年生が幸運を引き寄せる。【中島宙恵】

