第88回選抜高校野球(20日開幕、甲子園)に出場する釜石(岩手)を地元から応援しようと、往復走行距離約2100キロの0泊3日弾丸バスツアー(3万7000円)が企画された。21日午前9時開始の第1試合で小豆島(香川)と対戦するため、20日午後2時半に釜石を出発し甲子園へ乗り込む。試合後はとんぼ返りで、22日午前に釜石に着く車中泊2日の強行日程だ。20年ぶりの出場で、同校の初勝利を見届ける。

 頼もしい援軍が釜石からやってくる。生徒、父母会などの応援バスを学校から一手に任されている釜石旅行センターが、相手が決まった11日当日から一般向けのバスツアーの募集を開始した。14日時点で既に20人ほど申し込みが来ており、バス5台分に相当する最大180人まで募集予定だ。太平洋側に位置する釜石から日本海側に抜ける日本横断ルートを通り、片道約13時間以上の強行軍で聖地に乗り込む。

 20年ぶりのセンバツ出場で初勝利へ、スタンドの応援は必要不可欠だ。現状、釜石は生徒、父母、卒業生や姉妹都市の愛知・東海市からの応援を合わせても、アルプス席の確保は約1500枚程度。佐々木偉彦(たけひこ)監督(32)は「甲子園での声援は絶対必要。たくさん応援に来ていただけると助かる。このままだと小豆島の応援に押されてしまう」とアルプス倍増計画に頭を悩ませていた。

 一方の小豆島は既に抽選会のあった11日に深夜出発の高松行き臨時フェリー4隻の出航が決定。アルプス席のチケット確保が約3500枚ともいわれている。島民あげての大応援団が大挙押し寄せてくるのは必至だ。

 釜石ナインはこの日、西宮市内で練習した。今日15日は東洋大姫路(兵庫)と練習試合を行う。対外試合6連敗中だが、佐々木監督は「試合まであと1週間を切った。これからスイッチを入れていく」と不敵に笑った。初戦のアルプススタンドにはきっと、たくさんの大漁旗が振られているはずだ。【高橋洋平】

 ◆釜石応援弾丸ツアー行程 (1)20日午後2時に大槌、同2時半に釜石を出発。釜石道→東北道→磐越道→北陸道→名神道を通って(2)21日午前9時開始の第1試合までに到着、応援。試合終了後、同じルートを逆戻り。(3)22日午前8時に釜石に到着。問い合わせは(株)釜石旅行センター【電話】0193・22・5555。締め切りは17日正午まで。アルプス席入場券とオリジナル応援グッズつき。