5番の一振りでうっちゃった。
ソフトバンク近藤健介外野手(30)が逆転の6号2ラン。1点を追う8回1死一塁、西武松本の初球を右翼席に突き刺した。
今季初の2戦連発に「ピンクフルデー2024」で埋まった4万人超のファンは大喜びだ。貯金16は前回リーグ優勝した20年以来4年ぶりの量産。2位日本ハムとのゲーム差を5に広げて独走態勢着々だ。3番柳田、4番山川の後に座る頼もしい5番が首位快走を引っ張る。
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振り抜いた瞬間、近藤は確信した。一直線に伸びていく打球を見届け、バットを放り投げる。右こぶしを力強く握りしめ、納得顔で一塁へ駆け出した。「感触も手応えも完璧です。今日のホームランはよかった」。ダイヤモンドを周回し、ベンチに戻るといつも以上に雄たけびを上げる。殊勲打に喜びを隠せなかった。
一振りで制した。「初球からいく準備はしていた」。1点を追う8回1死一塁。西武松本が投じた初球、狙っていた真ん中高め直球を仕留めた。右翼スタンドに飛び込む逆転2ランだ。毎年恒例の「ピンクフルデー2024」の第2戦で起死回生の1発。ピンク色に染まるスタンドも歓喜に沸いた。「ここで打てなかったら『やばいな』と」。第3打席までは、2度の得点圏で凡退するなど3タコ。ここぞの勝負どころで2試合連続アーチを描いた。
今季ここまで全38試合で5番に座り、その存在の大きさが際立つ。打率3割2分4厘はリーグトップ。6本塁打、20打点はチームトップ3に入る。昨季のソフトバンクは、打順別で先発5番の打率2割7厘はリーグ最低。だが、今季はFAで山川が加入したことで、球界屈指の好打者が5番に定着した。「3番、4番でホームランは打ってもらって。自分は相手の息の根を止める打点になってくる。そこで打てればいいかなと思います」。クリーンアップ最後のとりでとしてポイントゲッターの役割と自らを位置づける。「2人(柳田、山川)は豪快なんで。自分はひっそりとやれればいいかな」と笑った。
チームは今季5度目の3連勝。貯金16は前回日本一に輝いた20年以来4年ぶりだ。敗れた2位日本ハムとの差を5ゲームに広げ、早くも独走態勢に入る勢いだ。近藤は「もう少し打点にはこだわりを持っていきたい」と貪欲。勝利に導く一打に徹する背番号3に、慢心はない。【佐藤究】



