<高校野球埼玉大会>◇23日◇5回戦

 埼玉の注目右腕、春日部共栄の中村勝投手(3年)が自己最速タイの143キロをマークして被安打3、11奪三振の完封勝利。富士見を3-0で下し、ベスト8に進出した。

 関東NO・1右腕、春日部共栄のエース中村勝が力で押す投球を披露したのは4回だった。内野手の失策と送りバント、さらに自らの暴投で2死三塁。この試合初めてのピンチだった。ここで速球勝負に出た。カウント2-1からの4球目に自己最速タイ、143キロの直球を投げ込んだ。富士見の5番・上松亮太内野手はバットを出すこともできず、見逃し三振に倒れた。

 中8日で迎えたマウンドだった。間隔があいたことで「8回から少しバテました。後半四球を出したのが反省点です」。試合後、中村から最初に出たのは反省の弁だった。それでも、三塁を踏ませたのは4回の1度だけ。「打たせて取る」投球で春16強のシード校、富士見を3安打に抑え、11奪三振。初戦からは13イニング無失点だ。奪三振は22となった。ネット裏にはプロ5球団のスカウトが集まった。横浜酒井スカウトは「ここぞってときに腕が振れる。速い遅いを投げ分けられる」と評価した。

 今年2月にワインドアップをセットポジションに変えた。目指したのは制球力アップだった。本多利治監督(51)とは「夏までに体重80キロ」の約束をしていた。夏の戦いに耐える体づくり。太りにくい体質で目標には5キロ届かなかったが、入学時62キロだった体重を75キロにまで増やした。身長も6月の時点で1センチ増の184センチになっていた。

 17歳右腕は進行形で伸び続ける。球威も着実に増している。今春、準優勝した埼玉栄との準々決勝(26日)でも、さらなる進化を見せてくれるはずだ。