巨人が64年ぶりの劇的勝利を収めた。

1点ビハインドの12回1死一、二塁、坂本勇人内野手(37)が通算300号となる逆転サヨナラ3ランを放った。過去に47人が通算300本塁打を達成。史上48人目、生え抜きでは7人目の快挙となった。前日12日に続く2日連続のサヨナラ劇となった。

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初球だった。「基本的には僕は初球から行くんで」。坂本は延長の劇的な一打を振り返った。打席前、ベンチでじっくりと広島遠藤のデータを読み込んだ。その上で、初球を迷いなく振り切った。

阿部監督は試合後、「得点圏のファーストストライクを振れたのはすごいこと。チームとしても言っていることだけど、その勇気がない」と力説した。若手に常日ごろ、求めてながら、一朝一夕には実行できない。追い込まれ、何も起こせない。そんな場面を幾度も見てきた。

だからこそ、この日の一打の意味はチームにとって大きい。指揮官は「ずっとシーズンを通してテーマにしてやってほしい。行ける勇気が一番大事。日々勉強」と最高のお手本として手放しで褒めたたえた。

1月の自主トレで坂本は言った。「結果で答えられるように。本当にそれで頑張るしかない」。若手が増え、「新しいジャイアンツ」と掲げるチームにあって、勝利のために戦う意志の強さは変わらない。そのために、朝早くから遅くまで体をいじめ抜く。練習あるのみ。初球を振れる勇気も、そんな毎日があるからこそ。いつまでも、その姿でチームを鼓舞し続ける。【阿部健吾】

【巨人】坂本勇人「300号打てないんじゃないかと」メモリアル弾で地方球場64年ぶり劇的勝利