まだシーズンの前半でありながら、DeNAは正捕手だった山本をトレードした。非難するつもりはないが、捕手は“守りの要”と呼ばれるポジションで、異例中の異例といっていいだろう。チームの雰囲気はどうなるか? そんな心配を吹き飛ばすような試合に感じた。

目についたのはプロ入り2度目の先発となった島田と、捕手の松尾だった。どちらも“勝負どころ”で、島田は今後のローテーション入りがかかるし、山本に替わって正捕手候補の松尾が必死なのは言うまでもない。そんな気迫が伝わってきた。

立ち上がりから果敢に内角を突き、3者三振スタート。2人とも若く、まだ経験は足りないが「怖いもの知らず」で戦えるメリットはある。島田は初回から目いっぱい腕を振っていた。松尾も1球1球、ジェスチャーを交えて自分の意思を伝えていた。なんとしも結果を出したいという気持ちが、プレーに乗り移り、結果としてついていった。

逆に目についてしまったのが、中日の攻撃だった。5回は3者連続3球三振。プロ野球史上22人しかいない珍しい記録で、プロである以上、なんとしても阻止しなければと思わなければいけない。それなのに3人目の打者だった石伊は、前の打者が3球三振だったのを知らなかったように3球目の低めのボールゾーンに落ちるフォークをフルスイングで空振りした。キャッチャーというポジションを任されているのなら「知らなかった」ではいけないだろう。

最低でも1点は返しておきたい6回1死満塁からは、2番の高橋周が2ストライクから4球目の内角のフォークを空振り三振した。真っすぐが2球続いてファウルしていたし、追い込まれている状況で真っすぐを3球も続けてストライクゾーンに投げてくると思っていたのだろうか? 百歩譲っても「この状況で真っすぐなんてくるわけない」と狙い球を絞り、真っすぐを見逃し三振した方がマシだと思えるような内容で、経験もあるベテランであり、恥ずかしくなるような三振だった。

プロである以上、精神論だけを語るつもりはない。ただ、DeNAバッテリーの気迫に比べると、中日の攻撃はあまりにも寂しさを感じさせた。(日刊スポーツ評論家)

6回、2死満塁の好機に空振り三振に倒れた中日・村松(共同)
6回、2死満塁の好機に空振り三振に倒れた中日・村松(共同)
DeNA対中日 プロ初勝利を挙げウイニングボールを手に相川亮二監督(右)と写真に収まる島田舜也(撮影・水谷安孝)
DeNA対中日 プロ初勝利を挙げウイニングボールを手に相川亮二監督(右)と写真に収まる島田舜也(撮影・水谷安孝)
DeNA対中日 プロ初勝利を挙げ相川亮二監督(左)からねぎらわれる島田舜也(撮影・水谷安孝)
DeNA対中日 プロ初勝利を挙げ相川亮二監督(左)からねぎらわれる島田舜也(撮影・水谷安孝)