ロッテから3位で指名された秋田商の最速144キロ左腕・成田翔(かける)投手(17)が4日、秋田市内の同校で契約金5000万円、年俸600万円(いずれも推定)で契約した。ドラフト指名選手で今季12球団最速契約を交わした成田はプロ最速デビュー、さらには最速1勝にも闘志を燃やした。背番号は12月初旬予定の入団発表で公表される。

 今季12球団からドラフト指名された計116選手(育成指名28選手含む)の中で、最速契約を結んだ成田が「1番」ポーズでプロ入りをアピールした。ロッテ関係者も「過去に記憶がない」という11月上旬の契約成立。自ら希望した成田は「1日でも早く契約してプロの選手として練習したかった」。ロッテ永野吉成チーフスカウト(47)は「潔さ、思い切りの良さにほれ直しました。伝説の投手になれるようにサポートしたい」と期待の若武者にエールを送った。

 一番乗りは契約だけにとどまるつもりはない。「1番早く契約したので1番早く1軍に上がって初勝利を挙げたい」と意欲満々。球速についても「コントロールが大事なのでこだわりはありませんが、体が大きくなれば黙っていてもついてくる」と最速150キロ超も視野に入れている。

 今夏はスライダーで三振のヤマを築いた。チームを80年ぶりの甲子園8強に導き「小さなドクターK」と呼ばれた。身長は1センチ伸びて170センチになったが、プロ投手として小柄なことに変わりない。成田は「身長は関係ない。持ち味の気持ちで向かっていくピッチングをしたい」とプロ100勝を目標に掲げる。

 甲子園後は侍ジャパンU-18日本代表に選ばれ、同W杯準優勝に貢献した。成田は「準優勝で悔しかった。プロでもジャパンのユニホームを着て優勝したい」と大きな夢を描く。その一歩としてプロ1年目の新人王獲得を目標に掲げる。ロッテ本拠地の千葉といえば成田。毎年、明治神宮に次ぐ全国2位の初詣客でにぎわう成田山新勝寺や成田国際空港で知られる。成田は千葉・成田市の公認キャラ「うなりくん」のぬいぐるみを手に「球界を代表する投手になりたい」と自らの名を千葉ロッテの代名詞にすることを誓った。【佐々木雄高】