悲願の「3連覇」へ、準備は完了だ。ソフトバンクはオープン戦最終戦を勝利で飾り、3位でフィニッシュ。この日は開幕を想定したオーダーを編成。エンドランで先制点を演出するなど、機動力を生かした攻撃に手応えをつかんだ。投手陣もチーム防御率トップの成績を残し、スキのない野球が整った。

 3年連続日本一を実現すべく、理想の野球が形となって表れた。7回だ。6番で起用した明石がエンドランのサインに応えた。二遊間を破り、一塁走者の松田が三塁に進む。相手投手の暴投で先制点を奪うと、代打吉村が2点目のタイムリー内野安打を放った。

 前日20日には柳田の2発で圧勝したが、投手戦では機動力を発揮する。工藤監督は「エンドランで走者を進めてくれたし、バントの練習もできた」と納得の表情。2度のバントはいずれも成功。李大浩が抜けた16年バージョンの打線は変幻自在の魅力を放つ。

 楽天との開幕戦(25日)は敵地コボスタ宮城が舞台となる。今季から内野も天然芝に変わった。似た球場のマツダスタジアムで開幕を想定したオーダーを組んだ。打撃低迷の長谷川に代わり、明石を6番一塁で起用。開幕投手の則本に昨年、打率3割3分3厘と相性がいい。開幕マスクには若手の有望株である斐紹の抜てきが決定的になった。工藤監督は「開幕は調子のいい選手を優先したメンバーにと考えている」と話した。体調不良で欠場した内川を4番に当てはめた布陣が開幕オーダーになる模様だ。

 相手の嫌がる野球が指揮官の考えの根底にある。本多がオープン戦で4割近い打率を残し、7盗塁を記録。好調の1番福田とともに、走力で相手投手に重圧をかける。オープン戦は3位でフィニッシュしたが、練習試合を含めれば、13勝4敗3分け。「十分な結果だ。みんなが強い思いをもってやってくれた。野球に対していちずで、思いの強い人が28人に残った。今までやってきたことを出してくれたらいい」と指揮官は言う。投手陣は和田から無失点リレーを完成させ、チーム防御率1・91は12球団トップ。破壊力ある攻撃に、今年はスキのなさも備わった。【田口真一郎】