ソフトバンクが4月18日以来129日ぶりに首位の座を明け渡した。勝利まであと2死。柳田のプレーが陥落への引き金となった。1点リードの9回1死一、二塁。楽天茂木の打球は中堅柳田の正面へ低いライナーで飛んだ。柳田は足からスライディングし捕球しようとしたが後逸。まさかのランニング逆転3ランを献上した。

 直前まで首位堅守への主役を張っていた。反撃ムードをつくったのは柳田。3点を追う3回に中堅のホームランテラスゾーンへ、14号2ラン。8回には、先頭で二塁打を放ち、長谷川の適時打で勝ち越しのホームを踏んでいた。ここまで本塁打を打った試合は全勝だったが、その不敗神話も崩れた。

 工藤監督は「奇跡も起こるし、こういうことも起きるのが野球だね。(柳田は)捕れるかなとは思ったけど」と責めることはなかった。思わぬ逆転負けの敗戦には、守護神不在の事情も絡んでいた。23日楽天戦で守護神サファテが右足を負傷。軽傷で済んだがこの日まではドクターストップ。代役抑えのスアレスが9回にピンチを招いていた。試合前までマイナス0・5ゲーム差を“つけての”珍現象首位だったため、この日の陥落で一気に1・5ゲーム差での2位。残り29戦。「(追う立場になっても)やることは変わらない。また切り替えて。暗くなったってしょうがない」と工藤監督。追いかける立場から3連覇へ勝負をかける。【石橋隆雄】