西武菊池に笑顔はなかった。球団では03年松坂以来のシーズン10連勝も左手中指のまめがつぶれ、6回途中で負傷降板。「信頼を勝ち取るためにも、こういう降り方をしちゃいけない。申し訳ないです」。中継ぎ陣に負担をかけての12勝目に、謝罪の言葉を並べた。

 チームの勝利を最優先に考えた。目標のシーズン規定投球回到達まで、残り17回1/3で臨んだ。できる限り長いイニングを、と意気込んでいたが「規定どうこうじゃない。これ以上投げたら迷惑をかける。チームが勝つために代わった方が、と思いました」。5回からまめの影響もあって制球が乱れた。6回無死一、二塁で、ウィーラーへ投じた150キロが引っ掛かり、決断を下した。

 リリーフ陣が反撃をかわし、チームは7月11日以来の4位浮上。左腕は「喜べる勝ち星じゃないですが残り2試合、今日の分も投げられるようにしたい」。まめの状態次第となるが、今後は中5日でソフトバンク戦、中4日で日本ハム戦に登板する見込み。規定投球回に到達すれば、防御率のタイトルも見えてくる。「何とか中5日でいけるようにやるだけです」と引き締めた。【佐竹実】