プロ野球ドラフト会議が20日、都内で開催され、静岡の鈴木将平外野手(3年)が西武に4位で指名された。憧れだったプロの舞台へのスタートラインに立ち「将来は3割、35盗塁」と意気込みを語った。

 午後6時25分過ぎ、西武から4位で名前を呼ばれた瞬間、鈴木は安心したような笑顔を浮かべた。無数のフラッシュを浴びると、表情を引き締めて語った。

 「選ばれて本当にうれしいです。早く1軍の舞台に立てるように、長所の足と打撃を磨いていきたい」

 夢見た世界への扉が開いた。「手に汗にぎる感じでした。野球を続けてきて良かった」。頭には支えてくれた家族の顔が浮かんだ。投手だった小6時に左肘を痛め、約1年間、ほとんどプレーできない時期があった。「つらくてやめようと思ったこともあった」。そんな時、祖父龍司さん(77)から「お前の野球を見るのが生き甲斐なんだ」と言われ、救われたという。バレー選手だった父孝治さん(46)は、時に厳しく励ましてくれた。指名の様子を同校の校長室で見守った孝治さんは「小さいころからの夢をかなえ、誇りに思います。たくさんの人に応援してもらえる選手になってほしい」と、息子の姿を頼もしげに見つめた。

 西武にはシーズン最多216安打の記録を持つ秋山翔吾外野手(28)がいる。鈴木は「同じセンターで、タイプも似ていると思います。いろんなものを吸収していきたいです」と意欲的に学ぶ姿勢だ。昨年、楽天に4位指名された堀内謙伍捕手(19)、日本ハムで今季の優勝に貢献した増井浩俊投手(32)ら同校OBで同じパ・リーグ、「プロでは年齢は関係ないので思い切りぶつかっていきたい」と言った。さらには「大谷(翔平)投手とも対戦したいです。将来は3割、35盗塁が目標です」と具体的に言った。

 プロにスタートラインに立った鈴木が、さらなる高みに向けて走り始める。【鈴木正章】