世代NO・1では、物足りない。ヤクルトのドラフト1位の履正社・寺島成輝投手(18)が、1年目から開幕投手を意気込んだ。大阪・豊中市内の同校で21日、鳥原チーフスカウト、阿部スカウトから指名あいさつを受けた。早くも来春の1軍キャンプスタートが内定するなど、高卒だが即戦力評価。鳥原スカウトから真中監督直筆の「必然」メッセージを受け取り、笑みをこぼした。報道陣から来季の目標を聞かれると、「まずは開幕1軍。(開幕投手は)誰もが目指しているところ。目標の1つとして」と言った。

 簡単な道のりではない。それでも、扉は開いている。真中監督はこれまで、「来年の開幕投手は、小川や石川で決まりではない。外国人やドラフトの選手みんなにチャンスがある」と話している。高卒新人の開幕投手が過去3人だけで、実現すれば61年ぶりだ。

 前夜はちょっとしたサプライズに感激した。ドラフト会議直後、履正社・岡田監督の計らいでOBの山田と電話で会話を交わした。「ヤクルトはいい球団。緊張するかもしれないけど、自分の力を出して頑張って」とエールを受けた。大先輩とプロではチームメート。寺島は「勝つ投手になりたい。勝ちにこだわりたい」と、責任感を口にした。「高校BIG4」から、チームの顔へ-。高卒ルーキーの開幕投手を、夢物語にするつもりはない。【栗田尚樹】

 ◆高卒新人の開幕投手 新人の開幕投手は13年の則本(楽天=三重中京大出)まで2リーグ制後13人いるが、高卒に限れば52年大田垣(広島)54年梶本(阪急)56年牧野(東映)の3人。寺島が起用されれば61年ぶりとなる。高卒に限らないヤクルトの新人開幕投手は50年成田啓二(米子鉄道局)と84年高野光(東海大)が務めている。