プロ野球ドラフト会議で巨人から育成枠1巡目で指名された新潟アルビレックスBCの高井俊投手(すぐる=21)は25日、球団事務所のあるハードオフエコスタジアム新潟で巨人三井康浩スカウトから指名あいさつを受けた。元メジャーリーガー・野茂英雄氏(48)を手本にしたトルネード投法から生み出す最速152キロの速球が武器。「やっと現実感が出てきた」と新たな希望を膨らませた。

 高井の夢は無限に広がっている。「直球は常時155キロ以上出して、1年目から1軍のマウンドで投げたい」。参考にしているのが野茂氏の投球フォーム。「大胆なフォームから繰り出すスピードボールと、オーラ。まねできたらな、と思う」と言う。トルネード投法に変えてから球速は約10キロアップした。「自分に限界を作るな」とアドバイスした三井スカウトは「のびしろを考えて(育成枠の)ドラ1」と言った。

 新潟アルビBCでの高井の投球を4回見ている三井スカウトの期待は、大きかった。「近い将来、ジャイアンツという“みこし”を担いでもらいたい存在。東京ドームでローテ(ーション)を守ってくれるような投手になると、信じている」。トルネード投法も「話題性のひとつ」と個性として認めていた。

 高井は11月4日に上京し、5日にメディカルチェックを受ける予定。巨人の新入団選手発表は例年、11月23日の勤労感謝の日だ。「妥協せずに追い込んだ生活をしていきたい。(NPBは)自分より上の選手ばかりがいる世界。立ち向かっていきたい」。持ち前の負けん気で、高井は1軍マウンドをひたすら目指す。【涌井幹雄】