準備が整った。そんな晴れやかな表情だ。確かにキャンプ中から「全力で走って(こそ)100%だと思います」と公言してきた。フリー打撃や守備練習を開始してもスタンスは変わらなかった。キャンプ最終日も「80パー(%)くらいまでは戻ってきている」と話したが、ついに「100%」に到達した。
この日のフリー打撃では52スイング中、3連発を含む柵越え10本。うち1本は逆方向の左中間最深部に突き刺すなど、相変わらずのパワーを見せつけた。試合で守備に就くには、シートノックなどハードルが残っているが、打撃と走塁部門ではチェック項目をほぼクリア。指名打者として試合に出場する準備は整った。
糸井 僕の中では(試合に)いつでも入れる状態にきていると思う。
今日11日以降の状態にもよるが、早ければ14日、昨年まで在籍したオリックス戦で阪神初打席に立つ可能性が出てきた。金本監督も「トレーナーはなんて言うのかな。DHとかでもいいんじゃないかな」と実戦出場にGOサイン。虎の糸井デビューが近づいている。【桝井聡】
<糸井復活の道のり>
◆右膝負傷 自主トレで右膝に違和感を覚え、1月24日、大阪市内の病院で「右膝関節炎」と診断された。キャンプ別メニューが決定した。
◆超別メニュー 2月1日の宜野座キャンプ初日は、球場滞在30分で「行ってきま~す!」とプールトレへ。球場に戻り、ほぼ座った状態でトス打撃130スイングをこなした。
◆フリー開始 2月17日に屋外でフリー打撃を開始し、140メートル弾など柵越え6本を披露。「気持ちよかった!」。
◆直撃もなんの 2月21日、メイン球場で外野をランニング中に、福留の打球が右腕を直撃。一時は騒然となったが「収穫や! 硬球は硬くて痛い!」と爆笑させた。
◆ノック開始 今月7日からセンターの位置で外野ノックを捕球。4日連続となった10日は福留、高山と並んでノックを受けた。