プロ野球巨人の渡辺恒雄球団会長を批判し、昨年11月に球団代表を解任された清武英利氏(61)が18日、共同通信の取材に応じた。巨人の契約金超過問題で内部資料が流出したとみられることについて関与を否定し、同氏が代表として新人獲得に関わった2005年以降は最高標準額の1億5000万円を超える契約はないと明言した。

 清武氏は契約関係資料の取り扱いについて「編成本部と総務本部は、はっきり分かれている。僕は編成本部を仕切っていたわけだから(過去の契約についての)資料は回ってこない。金庫の場所も知らないし、アクセスしたこともない」と説明。

 巨人の桃井恒和球団社長が、内部資料が流出したとの見解を示し「アクセスできるのは経理部長以外に球団社長と球団代表」と発言したことには「狙いをこちらへ向けて、僕に対して矢を射ている。非常に不愉快。朝日(新聞)の報道とは無縁」と不快感を示した。

 朝日新聞は1997~04年に逆指名制度などを利用して巨人入りした6選手の契約金が、最高標準額を上回り計36億円だったと報じた。清武氏は「自分が主導した」とする05年以降は「自分が契約した範囲の中では、一度も外れたことはない」と語った。「申し合わせというのは、守るためにあるもの。(上限ではないので)守らなくてもいいというのは、少しおかしい」と批判した。

 清武氏と巨人は互いに損害賠償などを求め、東京地裁で係争している。