プロ野球巨人の契約金超過問題の報道をめぐり、巨人が前球団代表の清武英利氏が重要な内部資料を持ち出したのは確実と結論づけたことに対し、清武氏は名誉を傷つけられたとして、新たに巨人などを相手に約2400万円の損害賠償を求める訴訟を5日、東京地裁に起こした。東京都内で記者会見した。

 清武氏は会見で代表職を解任された後、出版社「ワック」に送った大量の私物の中に球団の内部資料が混在していたと説明し「資料を故意に持ち出したり、第三者に流出させた事実はない」と話した。その資料が朝日新聞の報道に使われた可能性について、吉峯啓晴弁護士は「重大な疑問がある」と指摘した。

 また、出版社に清武氏が送付した資料に関し、東京地裁が巨人の仮処分申し立てを認めて保全手続きが執られたことについて清武氏側は「理由及び必要性がなく違法」とし、5日に保全異議などの申し立てを同地裁に行った。巨人は「球団所有の内部資料を適法に保全したものであり、何ら問題ないと考えます。また、名誉毀損(きそん)にもあたらず、適切に対処していきます」と反論した。