リニューアルした甲子園球場で12日、観客を入れずに阪神対巨人の練習試合が行われた。お披露目の一方で問題も噴出した。

 阪神岡田監督は一塁側ベンチの使い勝手の悪さに「ダメ出し」だ。ベンチはグラウンドから約90センチと深くなった。その分視野が狭くなり、ベンチの天井も低い。「前見えへんやん!

 外国人やったら頭ぶつけるで」。大きな手すりが邪魔をして、グラウンドにスムーズに飛び出せない。ヘルメットやグラブを置く前方の棚は足元に設置されていて、腰をかがめて取る必要がある。「問題がいっぱいある」と球団関係者に改善を求めた。第1期リニューアルはオフの突貫工事で、選手らが立ち会う機会がなかった。球場側は善後策を検討し始めたが22日には高校野球センバツ大会が始まる。

 また、アルプス席には“見えない席”が出現した。内野席は約5メートルほどグラウンド方向にせり出したが、今オフ改修予定のアルプス席は従来のまま。最前列周辺の数十席は、打席やマウンドがほとんど見えなくなってしまった。実際に座った安藤は「全然見えないですよ」と困惑。赤星も「あの席は売ったらダメでしょう」とファンを思いやった。現在は発売していないが、甲子園関係者は「交流戦の週末デーゲームなどで売れてしまった試合もある」と話し、購入者には当日、空席への交換などで対応するとした。